自殺サイト殺人、「自作小説」の再現 犯行手順に共通点

この手の記事も良く見かけるのだけど、冒頭で

男女3人の殺害を認めた大阪府堺市の会社員、×××容疑者(36)は、現実とネット空間を行き来するなかで、自らの欲求を増幅させ、犯行を凶悪化させていった。

と書いてある割には、これを裏付けるような記述はこの後出てこない。
むしろ、これを書いた記者さんこそ、事件と日常を行き来するなかで、自らの欲求を増幅させていっているような。

「現実とネット空間を行き来する」に該当しそうな箇所は

前上容疑者は数年前、自分のホームページに自作の小説を掲載した。

「もう二度とすまい」と心に誓ったが、自殺サイトとの出あいが再犯の引き金になった。

自宅前のプレハブ小屋を借り、近所のインターネットカフェに出入りするようになった。

の三カ所だろうか。いずれも「欲求を増幅させ」たことを裏付けてはいない。
むしろ、この記事を見る限りでは「ネット」よりも「小説」の方が問題なのではないか。
犯人は小説を書いていたし、

江戸川乱歩推理小説で、女性が口をふさがれて苦しむ挿絵に興奮したと供述している。

小説を読んだ事がそもそものきっかけになっている。つまり、冒頭の記述は次のようであるべきだろう。

男女3人の殺害を認めた大阪府堺市の会社員、×××容疑者(36)は、小説を読んだり書いたりするなかで、自らの欲求を増幅させ、犯行を凶悪化させていった。

うん、これなら合ってる。恐るべき小説社会!小説反対!!