自殺対策報道 新聞社説に期待する

即座に沢山の人を殺すことができるものを何十年も前から垂れ流し続けている人達がいる。それは健康を害する程度のものではなく、多くの人を確実に死に導く。
その危険性に関してはかなり前から指摘されているにも関わらず、自分たちの利益のために(当人たちは「世間のニーズがあるから」と言うが)止めようとしない。
そんな自分たちのことは棚に上げ、他人が失敗したときは社会的に抹殺されるまで執拗に非難を続ける。
そういう人達の言うことを、そうそう簡単に信じてはいけませんよ。

ガイドラインは避けるべきこととして、「自殺の手段を詳細に報じること」、「遺書や写真を使ってセンセーショナルに報道すること」などを挙げている。また推奨すべきこととして「相談窓口の連絡先を記事中に併記すること」などを明示している。日本のマスコミの多くは避けるべきことを行い、推奨すべきことを行っていない。ネットでの情報拡散を期待して、自殺報道の見出しや内容が次第に過激になってきているような印象すら受ける。実際に今年5月には、過剰な自殺報道の影響とみられる若年世代を中心とした自殺の急増があった(もちろん自殺報道だけが自殺の要因ではないが)。
 そもそも、自殺は社会構造的な問題だという理解が乏しいようにも感じる。冒頭で書いた通り、自殺は毎年3万人以上が死に追い込まれている社会的な問題である。その対策においてメディアが担うべき責務も大きいと私は思うのだが、マスコミ関係者はどう考えているのだろうか。読者や視聴者の知る権利に応えることと、ニュースに注目してもらおうとする商業的な感覚、それに自殺予防に資する報道をするという3つの要素の中で、人命に関わる自殺予防のことが後回しにされていると感じるのは私だけだろうか。

http://allatanys.jp/B001/UGC020008520110904COK00899_4.html